2025年10月6日
シンガポール入管、陸路・海上検問で飲酒運転検査を実施へ
シンガポール入国・検問局(ICA)は、10月3日から陸路および海上検問所で運転手へのアルコール呼気検査を実施する権限を付与された。対象は陸上および海上貨物検問所の周辺地域を通過するドライバーやモーターリストである。
呼気検査で基準を超えた運転手は警察に引き渡され、法的措置が取られる。検査を拒否した場合も違法行為となり、初犯では最長6ヵ月の禁錮または最高5,000Sドルの罰金が科される。再犯者は最長12ヵ月の禁錮および最高1万Sドルの罰金の対象となる。
内務省(MHA)は声明で、「この新たな権限により、ICAは公共の安全確保と陸海検問所での保安対策強化を図ることができる」と説明した。今回の措置は、1月に成立した道路交通法(Road Traffic Act)の改正項目の一部であり、段階的に施行が進められているものだ。
6月には第一弾として、危険運転の一部罪状における「最低刑の撤廃」が実施されたが、当局は決して再犯者に対して寛容な方針ではないと強調している。MHAは「刑罰の上限は依然として厳格であり、抑止力と公平性のバランスを取るための見直しだ」と述べた。
交通警察によると、2025年上半期のスピード違反件数は前年同期比45.5%増と悪化しており、飲酒運転による逮捕者数も862人と前年の818人から増加している。2023年には、トゥアス検問所の車線で飲酒運転の車両が時速119kmで暴走し、補助警察官に衝突する重大事故も発生した。
MHAは「飲酒運転は極めて重大な犯罪であり、すべての運転者に対し、飲酒後の運転は絶対に行わないよう強く求める」と呼びかけている。


