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社会

2025年9月30日

シンガポール人口611万人に増加 非居住者増が主因

 シンガポールの人口が2025年6月時点で611万人となり、前年から1.2%増加した。国家人口・人材局(NPTD)が9月29日に発表した年次報告書「Population in Brief 2025」によると、増加の主因は建設業労働者や家政婦など非居住者の増加である。
 
 市民人口は前年の364万人から366万人へ微増し、永住者は54万人で横ばい。非居住者は191万人で全体の約3分の1を占め、そのうち約3分の2が外国人労働者である。建設業の労働許可証保持者の増加が、チャンギ空港第5ターミナルや住宅供給拡大など主要インフラ事業を支えている。
 
 一方で少子高齢化が進行している。市民の中央値年齢は43.7歳に上昇し、65歳以上の割合は19.9%から20.7%へ上昇した。2024年の出生数は2万9237人と前年より1.2%増加したが、合計特殊出生率は0.97で史上最低水準のままである。
 
 結婚件数は2万2955件で前年比5.7%減少。初婚年齢は男性30.8歳、女性29.1歳と上昇し、未婚率も各世代で増加傾向にある。40~49歳の既婚女性のうち子どもが1人の割合は20年間で15.9%から22.8%に上昇、3人以上の割合は34.5%から20.6%へ減少した。
 
 政府は出生率向上策として「大家族支援制度」を導入し、第3子以降に最大1万6,000Sドルの支援を行う。専門家は「晩婚化と非婚化の進行により、移民への依存が今後一層高まる可能性がある」と指摘している。

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