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社会

2025年9月26日

オーチャードのテナント退去問題、Hao Martが弁護士事務所を通じ協議開始

 シンガポールのスーパーマーケットチェーンHao Martは、オーチャード・ロードにある商業施設「Taste Orchard」での賃貸契約打ち切り問題に関し、テナントとの協議を進めるため弁護士事務所Avista Advisory Partnersを起用したことが明らかとなった。
 
 9月12日、同施設のオーナーであるOGがHao Martとの契約を解除し、サブテナントは2025年12月末までに退去するよう通告された。改装費用を投じた店舗も多く、原状回復義務を不安視する声が上がっていた。その後9月23日付でHao Mart側からテナントに宛てた書簡において、弁護士事務所が協議窓口となることが通知された。
 
 Taste OrchardではF&B業態を核に再生を図ったが、地下の高額賃料区画が空いたままになるなど集客は振るわなかった。飲食店オーナーの一人は「18年間の事業で最悪の事態」と述べ、教育施設運営者も約Sドル100万の投資が水泡に帰す可能性を訴えている。既に一部テナントは法的措置を検討していたとされる。
 
 専門家は、オーナーがアンカーテナントを途中解約する事例は極めて異例であると指摘する。通常は大規模改修や再開発の場合に限られ、テナントの改装費補償が必要とされる。Hao Martは本来7年半の長期契約であったが、開始から約1年半で終了を余儀なくされた。
 
 背景にはHao Martの業績悪化があるとみられる。2024年3月期にはSドル3,280万の赤字を計上し、売上も前年比33.8%減のSドル5,570万に落ち込んだ。識者は「財務健全性や事業モデルを十分検証せず契約した点に構造的な問題がある」と指摘している。

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