国防省、偽装大量注文詐欺に警告

　シンガポール国防省（Mindef）は9月14日、シンガポール国軍（SAF）関係者を装った詐欺的な大量注文が相次いでいるとして注意を呼びかけた。これまでに少なくとも7件が確認されており、いずれの人物もSAFとは無関係であることが分かっている。Mindefは警察に通報済みであり、「不審な活動は警察に届け出てほしい」と強調した。
 
　最新の事例では、サワードウやペストリーを販売するデスカーロードの「Breaditation Bakery」が被害に遭った。ある男が「ベドックキャンプ所属の将校」と名乗り、約2,000Sドル相当の注文を行ったが、受け取りに現れず失踪。店は商品が廃棄されるのを防ぐため、詰め合わせの「ミステリーボックス」を1箱30Sドルで販売し、3時間で完売した。
 
　同様の詐欺は9月にも複数発生している。チョンバル市場の屋台「Muhammad Shazain Faiha Muslim Food Paradise」では、SAF関係者を装った人物がビリヤニ150食を注文したが受け取りに来ず、割引販売で損失を補った。また、「Kiki Florist」では3,820Sドル相当の花束注文が直前で放棄され、仕入れ分を値下げして販売する事態となった。
 
　警察によれば、偽の大量注文詐欺は今年5月以降で少なくとも5万2,000Sドルの被害が報告されており、教師や公務員を装うケースも多い。警察は「新規の取引先に前払いをしないこと、注文者を独自に確認すること、納品後に支払うこと」を呼びかけている。