2025年8月27日
トムソン・メディカル、ジョホール・シンガポール経済特区で55億Sドル規模プロジェクト発表
シンガポール上場企業トムソン・メディカル・グループは8月25日、マレーシア・ジョホール州の「ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)」において、総額55億Sドル規模の大規模開発計画「ジョホール・ベイ」を発表した。計画には500床規模の病院、高齢者ケア施設、五つ星ホテル、サービスレジデンス、ライフサイエンス関連オフィスなどが含まれ、地域の医療・不動産分野における最大級のプロジェクトとなる。
開発地は10.5haに及び、2026年末開業予定のジョホールバル・シンガポール高速輸送システム(RTS)駅やバタム・リアウ諸島を結ぶフェリーターミナルにも近接する。第一期として病院の一部と47階建ての高級住宅棟を整備し、建設や医療、ホスピタリティ分野で1,200人以上の雇用を創出する見込みである。病院は将来的に最大1,000床まで拡張可能であり、専門医療スイート、介護・アシステッドリビング、出産後ケア、トランジショナルケアなどを備えた包括的医療拠点となる計画である。
副会長キアット・リム氏は「ジョホール・ベイは高齢者ケアを再構築する場であり、世代を超えた持続的な医療・生活環境を提供する」と述べた。シンガポールの高い地価や労働力不足と比べ、SEZでは広大な土地、労働力、インフラを低コストで確保でき、越境需要を取り込むことが可能になると強調した。
開発は東南アジアの高齢化や慢性疾患の増加、民間医療需要やメディカルツーリズムの拡大を背景に進められる。住宅についてもシンガポールに比べ手頃な価格で提供され、投資家や越境プロフェッショナルから強い関心を集めている。
同社は2023年にベトナムのFVホスピタルを約4億8900万ドルで買収しており、今回の案件は東南アジア全域での事業拡大戦略の一環と位置付けられる。


