2025年7月10日
シンガポール人のジョホール「ドリアン巡礼」ツアーが活況
シンガポールの総選挙から2カ月が経過し、ジョホール州ではドリアンを目当てに訪れるシンガポール人観光客の姿が増加している。選挙後には例年、訪問者数が約30%増加する傾向があり、州経済にとって安定した収益源となっていると、ジョホール観光ガイド協会のジミー・リョン会長は語った。
この「ドリアンツアー」は、シンガポールの国会議員が支援者への感謝を示す目的で催行することも多く、1グループで8〜10台のバスを連ねることもあるという。たとえば、ジャラン・カユ選出のン・チーメン議員はSNS上で、「ムサンキング食べ放題+8品コース付き」の日帰りジョホールバルツアー(110Sドル)を宣伝し、参加者を募っていた。
地元の果物商人ジョン・チュウ氏(60歳)は、ドリアンの収穫期が7月初旬に始まって以降、週末を中心に来客が増加しており、約半数がシンガポール人であると明かす。人気品種の「ムサンキング」は、A等級で1キログラムあたり60リンギット、B等級は30〜40リンギットで販売されている。
若手販売者モハマド・アミルディン・トノ氏(22歳)も、「価格が下がっているため、さらに多くの客が訪れている」と好調な販売状況を報告。ポンティアンの供給業者トク氏によれば、シンガポールからの団体客の需要が高まり、他の業者から追加仕入れを行うこともあるという。
現地でドリアンを楽しんでいたシンガポール人女性ウェンディ・チュア氏(42歳)は、「シンガポールでは手に入りにくい品種もあり、値段は上がっていても、その価値は十分にある」と語った。
ジョホールのドリアン巡りは、今やシンガポール人にとって「味と体験の両方を楽しむ」一大観光イベントとなっている。


