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インドネシア

2007年1月1日

古き良きバリに浸る「サヌール」

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02一度訪れると、また再び何度でも足を運びたくなるのがバリ島。東南アジアのホリデーデスティネーションとして屈指の地位が揺るがない理由はそこにある。70年代から急激に観光地化がすすみ、外資系のホテルやリゾートが増え、世界各地から直行便が乗り入れ、観光客も激増した。無論、バリ島全体での現代化がすすみ、結果失われた風景があることは否めない。しかし、バリの人々に宿る伝統文化、宗教、地域社会の繋がりを大事にする気持ちに変わりはなく、有形無形のバリらしさは今でもそこここに見受けられる。ゲストをもてなす彼らの暖かい笑顔は、「共存」することを厭わない懐の深さを体現しているようで不思議と気持ちが癒されていく。そんなバリ島の古き良き姿を訪ねて、バリ島がまだ未踏の地である読者にはもちろん、その魅力に逆らえず何度と出掛けた事のある読者にも、バリ島再発見の小旅行に誘おう。

 

サヌールの海辺で一日

デンパサールから東へ約7キロ、空港から30分程のところにあるバリで最も旧くから開かれたビーチリゾートがサヌール。インド洋に面した珊瑚礁で遠浅のビーチが弧を描くように伸び、世界中からのリゾート客が溢れるクタやレギャンのビーチエリア、高級リゾート群で知られるヌサドゥアが開発されてきた狭間で、サヌールはいまだにぽつりと昔のままの風景を留めている。 そんな時代の忘れ形見のようなサヌールこそが、実はバリ本来の姿を愛するトラベラーの間で根強い人気を保っている。

03点在するビーチパラソルとヤシの木陰、独特の蚊トンボ船が沖に漕ぎだしているのみという何とものんびりした雰囲気の「村」。パラソルの下で寛ぐ欧米人と、浜辺の寺院に正装をした地元の人が日々の祈りを捧げる様子とが違和感なく存在している。ダイビングやシュノーケリングと言ったマリンスポーツや、お向かいのスラガン島やレボンガン島に日帰りで出掛けたりする楽しみもあり、家族連れにもお勧めのエリア。サヌールは島の東側に位置するので、極上の日の出が見られるのも魅力の一つだ。


1950年代には、タンジュンサリリゾート前あたりの海岸のカフェにバリに魅せられたアーティスト達が集っていたという。ミック・ジャガーやオノ・ヨーコなど、バリに足しげく通う著名人は多いが、皆このサヌールを愛した所以は、いつまでも変わらない開けた海からの癒しの風とエネルギーに違いない。ル・マイヨール美術館が海岸沿いあるが、これはベルギー人の画家マイヨールが愛妻でモデルのイ・ポロックと暮らした邸宅を改造したものだ。ブーゲンビリアの垣根がうなだれる噴水の周りに何人ものバリ人女性を遊ばせ、ニンフ(妖精)のように描いた彼の数々の作品を見にいこう。画家の目から見たサヌールの昔ながらの魅力を味わえる。

 

ジャラン・タナウサンプリガン通りを歩く一日。

地元の人も、サヌールを訪れた観光客も皆足を運ぶのが、この目抜き通り。海岸線に沿うように海から少し中に入った通りで、のんびりと散策してみたくなる通りだ。

まず、ジャラン・タナウサンプリガン通りの真ん中あたりから歩き始めよう。あれこれ生活雑貨、食料品などを揃えたい、バリの民芸品のおみやげを値段交渉なくリーズナブルに買いたいという場合、サヌール最大のショッピングモール、ハーディーズへ行こう。1階の現代的なスーパーマーケットにはたいていの物が揃っている。2階フロア全体の大きな民芸品売り場では、たいていのバリ製品が手に入る。値段も手頃なのが嬉しい。ハーディーズの向いにあるガドゥンケラミックは、ジェンガラ焼きのセカンドグレードを扱うアウトレット。アマングループやフォーシーズンズホテルと言った一流のホテルで使用されている陶器類が30%割引で買える。そのお隣にあるカフェ、カフェパトゥジンバーは、イギリス人とマナド出身のインドネシア人のカップルが経営している。有機野菜を使ったウエスタン&インドネシア料理に、アップルパイやキャロットケーキ、甘さをおさえたジェラートアイスクリームも全て手づくりの本格的なカフェレストランだ。バリコーヒーに少し飽きて来た頃、カプチーノとケーキをテラス席で頂くというひとときが楽しめる。また、日曜日にはサンデーマーケットが開かれたり、お隣のガトゥンケラミックとの共催で子供向けの陶器の絵付けクラスも行われる。モダンなバリを垣間みるのにいくつかブティックを覗いてみよう。ハーディーズのお隣には、デンマーク人の二人の女性デザイナーによるブティック、ボディートークがある。日本人好みのアース調の色使いの麻やコットン製のカジュアル着が中心で、男性と女性用があり、上下揃えても100シンガポールドル程度。リゾート気分満点のシックな着こなしを手に入れよう。また、シルバーのオリジナルジュエリーもシンプルで個性的。その先を暫く歩くと、インドネシアの民族衣裳のカバヤなどからインスピレーションを得たというスイートな婦人服のブティック、ママ&レオンがある。デザイナー兼オーナーはバリ人。ヨーロッパなどに輸出しているというだけあって、仕上げも上等。シフォンの上にビーズをあしらったカバヤ風ブラウスにはシックなボトムを併せたい。この通りでディナーとなれば、バリ人の建築家とインテリアデザイナーによるイタリアンレストランのザ・ビレッジがお勧め。今やバリ人のクリエーター達が自信を持ってモダンなコンセプトでプロデュースするレストランやホテルが増える中、ここはその典型で広々とした空間に落ち着いたシックな表情の室内、テラス、バーエリアがある。シンプルなインテリアをバックに大きくアレンジした熱帯の花が妖艶で雰囲気を盛り上げる。ジェノバ出身のシェフがバリ島近海のシーフードや新鮮な素材を使って旬な料理でもてなす。その他オッソブッコや、直火の釜で焼かれるピザ等も本格的。子供連れも歓迎してもらえる。となりに併設されたギャラリーも必見。旅の記念になる上質なバティックやアクセサリーが見つかるはず。


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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.089(2007年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春

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