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日系社会

2015年6月24日

シンガポール日本商工会議所「2015年/2016年国家賃金評議会ガイドライン」「2015年賃金調査結果報告会」開催

IMG_06646月24日、シンガポール日本商工会議所(JCCI)賃金調査委員会による「2015 /2016年国家賃金評議会(National Wage Council/NWC)ガイドライン」および「2015年賃金調査結果報告会」がノボテル・シンガポールクラークキーで行われ、250名を超える日系企業の関係者が出席した。
まず、JCCI賃金調査委員長の唐澤利武氏(帝人ポリカーボネート・シンガポール)は「シンガポール政府・労組・使用者の三者協議による2015年/2016年国家賃金評議会(NWC)ガイドライン」について説明。1,100Sドル以下の低所得層への昇給勧告や政府予算にも盛り込まれたスキルズ・フューチャー・イニシアチブ(SkillsFuture Initiatives)の施策などを解説し、生産性の向上と持続的な賃金の上昇の実現をめざすために、スキルアップを重要視する政府の姿勢を述べた。「労働生産性の伸び悩みに対する懸念は、政労使に共通しています。スキルズ・フューチャー・イニシアチブのような施策は今後広がる可能性があります」(唐澤利武JCCI賃金調査委員長)。
次にJCCI賃金調査委員の鈴木仁志氏(レジェンダ・シンガポール)が2015年度の政府予算案と2014年の発表内容について振り返った。昇給額の一部を政府が補助するWCS(Wage Credit Scheme)や企業が生産性向上のための投資に政府が支援をするPIC(Productivity and Innovation Credit)など留意すべき事柄について説明し、また企業向けの制度であるSkillsFuture Earn and Learn Programmeの活用を勧めた。「これはポリテクニックとITEの卒業生が企業で実務研修をうけながら給与を受けとることができる制度で、参加企業は助成金を受け取ることができます。現在、食品製造、小売業などで行われており、このような制度を利用することで人材獲得においてローカル企業に対する競争力をつけていただきたいと思います」(鈴木仁志JCCI賃金調査委員)。

 

IMG_0716続いてJCCI賃金調査委員の荒屋貴氏(ファインドリクルート)がシンガポールの労働市場と雇用状況、地元の大卒者の初任給などについて、人材開発省(MOM)の統計を基に説明した。さらに日系企業にとって最も関心が高いと思われるワークパス取得の現状と、シンガポールにおける人材採用に関する専門家の立場から今後の動向について述べた。「シンガポールのワークパスの取得は、選挙など政治的な要因で2012年から厳しくなっています。一方、周辺国の状況を見てみると、現在タイが東南アジア域内のヘッドクォーターとしての地位を獲得すべく、積極的に外国企業や外国人を受け入れています。このようなライバルが出てきたことは、シンガポールは見過ごすわけにはいかないと思います。シンガポールのワークパスの状況は5年周期で変動しています。各企業におかれては、こうした点を考えて人事戦略を検討されてはいかがでしょうか」(荒屋貴JCCI賃金調査委員)。
最後に、JCCI事務局長の長尾健太郎氏が「2015年賃金調査結果」を発表した。調査結果は今年4月1日から2ヵ月間に法人会員739社中にアンケートを送付し、323社から得られた回答に基づき、2015年の予測賃金改定率は3.80%となり、昨年の4.17%より低下するとの結果が出た。「労働力がひっ迫する中で日系企業はすべての業種で賃上げ率が低下との予測が出ました。しかし昨年も予測賃金改定率は3.96%で、実際は4.17%に上昇した。今年も上がる可能性があります」(長尾健太郎JCCI事務局長)。景気動向に関する調査では、約50%の企業が営業利益、売上ともに2016年にかけて好転すると回答した。

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