シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP食品・生物工学研究所を創設へ、食料安全保障以外の目的も

政治

2019年11月21日

食品・生物工学研究所を創設へ、食料安全保障以外の目的も

 
 政府は科学技術庁(A*STAR)傘下の機関として来年中頃、シンガポール食品・バイオテクノロジー・イノベーション研究所を設立する。国内での食糧生産を増やすためで、肉の代替品としてのたんぱく質、植物栽培方法、味覚、栄養吸収に関する研究を行う。
 
 研究所創設は、2030年には栄養ベースで食糧自給率を30%まで高める計画の一環だ。シンガポールは現在、食糧の90%を輸入。気候変動を考えれば、食糧安全保障の確保が急務だ。 
 
 実施が決まっているプロジェクトの一つが、新興企業のイートーブが手掛ける研究で、穀物、ナッツ、種子の栄養素を身体が吸収しやすくするための加工法を研究する。別の新興企業、ショク・ミートはロブスター、カニの身と同様の食品をラボラトリーで生産する計画だ。A*STARでは微生物を利用した、風味、香り成分の生産を研究している。トマトに赤色を加える成分や、胡瓜のにおいのする成分が一例だ。
 
 国土面積の狭いシンガポールでは、多層式室内野菜工場も建設されており、パナソニックがジャラン・アハマド・イブラヒムに建設した、発光ダイオードを利用した野菜工場では葉物野菜を生産している。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP食品・生物工学研究所を創設へ、食料安全保障以外の目的も