EUとの自由貿易協定、発効手続きがすべて完了

 
　欧州理事会は欧州連合（EU）とシンガポールとの自由貿易協定（FTA）を承認した。これですべての承認手続きが終わり、あとは事務手続きのみ。11月21日付で発行する。EUのフィル・ホーガン次期貿易コミッショナーとイスワラン通産相が8日夜にシンガポールで開催された晩餐会で発表した。
 
　FTA交渉が開始されたのは2009年12月で、14年10月に妥結。その後は批准、承認手続きに時間を要した。これによりシンガポールに輸入されるEUの商品は、すべて関税ゼロになる。EUが輸入するシンガポール産品の84％は関税ゼロになり、残る16％（特定の海産物、果物、織物、消費財）は3～5年以内に関税ゼロになる。
 
　サービス分野では、専門職サービス、観光などの領域でシンガポール企業は欧州への参入がこれまでより容易になる。コンピューター、通信、造園など市レベルでの政府調達への参加も容易になる。電子機器、自動車・同部品、薬品、医療機器など、シンガポール（あるいはEU）で試験を終え安全認証を得た商品を相手市場で改めて試験・認証する障壁を撤廃する。
 
　イスワラン氏は、EUとのFTAは東南アジア諸国連合（ASEAN）のほかの加盟国とEUとのFTAの先駆けとなるとの認識を示した。最終的にASEAN・EU間のFTAを希望しているという。