シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP重慶で中国と合同協力委員会会議、DBSに中国債券決済の免許

政治
経済

2019年10月16日

重慶で中国と合同協力委員会会議、DBSに中国債券決済の免許

 
 中国南西部の重慶で10月16日、シンガポール・中国2国間協力合同委員会会合が開かれ、9つの協定を締結した。昨年の7協定を上回る数だ。シンガポールの最大手銀行、DBSに中国国内で発行される債券の決済免許が付与されることも明らかにされた。
 
 共同議長はシンガポールのヘン・スイーキアット副首相と中国の韓正副首相で、シンガポールからはリー・シェンロン首相後の国政を担う第4世代の閣僚が多数出席し、中国との関係強化の意思を強く表明した。
 
 協定の1つは学生の就業体験に関するもので、大学生および新卒者は6カ月間、中国に拠点を置く企業で就業を体験できる。1年間に最多500人が派遣され、中国の学生も同様の機会を提供される。中国とこの種の協定を交わしたのはシンガポールが初めて。
 
 シンガポール通信・情報省は深セン市政府と人的交流およびビジネス生態系での協力に関する協定を交わした。関税面では、シンガポールが重慶で実施する2国間協力事業について、中国関税局は通関で便宜を図る。改定2国間自由貿易協定(FTA)が16日発効することも発表された。優遇対象に含まれる石油化学製品が増える。
 
 中央銀行である中国人民銀行がDBSに、銀行間債券市場での取引・決裁・保管サービス免許の交付を決めたことも会合で明らかにされた。中国の債券市場は、銀行間取引市場と取引所市場の2つで、取引量は銀行間市場が圧倒的に多い。人民元建て債券市場は13兆ドルの規模で、DBSはグローバル投資家の代理業者として取引に参加できる。DBSが授与されるのはAタイプの免許で、通常は大手多国籍銀行にしか与えられない。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP重慶で中国と合同協力委員会会議、DBSに中国債券決済の免許