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経済

2019年10月10日

労組翼賛組織のNTUC、中小企業への働きかけを強化へ

 
 労組の翼賛組織である全国労働組合会議(NTUC)はこれまで、組合結成を主に大手企業、多国籍企業に働きかけてきたが、中小企業への働きかけに軸足を移すことを決めた。中小企業はシンガポール就業者の70%を雇用しており、より多くの労働者が雇用関連法で保護されるためには、中小企業における組合結成を促す必要があると判断した。
 
 中小企業への働きかけに当たる責任者のヨー・グアットクワン氏は、来年末までに50~100社での組合結成を目指すと語った。また個人でNTUCに加盟する中小企業の社員数を、昨年末の2,500人の2倍にする計画だ。
 
 組合結成が認められると、組合は経営者との交渉で労働者の代表として臨むことができる。会社が認めた労組がある企業は1,600社で、中小企業はわずか。ヨー氏は「労組として、より多くの労働者の代表でありたいと希望している」と述べた。従来どおり大手企業にのみ働きかけていたのでは、労働者の代表としての務めを十分果たせないと感じたという。
 
 労組を認めると法令順守に経費が掛かり、人事部の負担が増すと懸念している企業があるが、会計事務所3Eアカウンティングの人事部長は、肉体・商業労働者組合から話を聞き、労組は労使交渉において共通の立場を見出すのに役立ち、給与水準の設定でも有用との判断に至り、労組結成を認めたという。

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