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社会

2019年10月8日

ボルバキアを共生させた蚊、第4期では広範囲で試験

 
 シンガポール環境庁(NEA)はデング熱ウイルスなどを媒介するネッタイシマカ(やぶ蚊)の繁殖を抑制するためのフィールド試験で、11月に実施する第4期の実施地域を広げる。蚊を広範囲に分布させるため、ドローン(無人飛行機)も用いる。
 
 ボルバキアという共生細菌を利用した繁殖抑制計画だ。ボルバキアは蚊を含む節足動物の体内に高い確率で存在している。オスに感染したボルバキアは、自己と同じ株に感染していないメスの繁殖を阻害するという能力に着目したプロジェクトだ。
 
 NEAは2012年から研究に着手。2月に行われた第3期では、やぶ蚊の繁殖を90%抑制することに成功した。昨年12月に終わった第2期では抑制率は75~80%と、ボルバキア感染蚊技術がシンガポールの高層建築、高密度住環境に効果的であることが示されたとしている。
 
 デング熱専門家諮問パネルのガブラー委員長は、この手法を広い面積で採用すれば、デング熱感染の抑制に大いに貢献するとの見解を示した。NEAはニー・スーン・イーストの住宅団地163ブロックとタンピネス・ウエストの121ブロックで、このボルバキアに感染させた蚊を放つという。

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