シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP配車サービス、健全な競争は運転手・利用客の双方にプラス

経済

2019年10月3日

配車サービス、健全な競争は運転手・利用客の双方にプラス

 
 配車サービス市場における健全な競争は、運転手、利用客の双方にとりプラスであることが、シンガポール国立大学(NUS)ビジネススクールによる調査から分かった。インドネシア系ゴジェックの委託を受け、独立した立場で調査を実施した。
 
 シンガポールの配車サービス市場では昨年3月、ウーバーが東南アジアからの撤退。グラブがウーバー業務を買収したことで、市場独占に近い状況が生まれた。この買収について、シンガポール競争・消費者委員会は、競争法違反であり、運転手、利用者にマイナスとの判断を示し罰金を両社に科した。その後、ゴジェックやライド、TADAが参入。再び競争が実現した。 
 
 NUSビジネススクールは7月から8月にかけ500人の運転手と、複数の配車アプリを利用する500人を調査。運転手の55%は、新規業者の参入以降、収入が増加したと回答した。一方、利用者にとり乗車料金は平均11%下がった。
 
 買収は配車サービス利用にマイナス、との回答は63%。運転手では、87%が買収の結果減収になったと回答した。買収成立後、配車サービス会社が提供する奨励措置に不満と回答した運転手は40%で、買収前の24%を上回った。
 
 新規参入が実現した後では、奨励措置に満足しているとの回答率が上昇。燃料補助に満足との回答は43%、最低保証収入に満足との回答は31%だった。

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