シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP8月の工業生産高は8%減、減少は4カ月連続

経済

2019年9月27日

8月の工業生産高は8%減、減少は4カ月連続

 
 シンガポール経済開発庁(EDB)が発表した8月の製造業生産高は前年同月比8%の減少で、2015年12月以来の大幅減だった。減少は4ヵ月連続。製造業はほかの産業部門に与える影響が大きく、シンガポールが第3四半期に景気後退(2・四半期連続の前期比での経済縮小)に陥る可能性が高まった。第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比で3.3%の減少だった。
 
 8月の製造業では電子、精密工学部門の生産が減少した。半導体など電子機器の生産は24.4%減で、メイバンク・キム・エン証券のエコノミストは、シンガポールは台湾のように、米中貿易戦争による半導体の貿易転換の恩恵を受けていないとした。精密工学部門の生産は13.6%減少した。半導体関連機器の生産減が響いた。
 
 米国が中国からの輸入品にかける関税では、9月1日から半導体装置とアップルのマックコンピューターが対象に含まれ、12月15日からはラップトップと携帯電話が含まれる。米国における需要に破壊的影響をもたらす可能性がある。
 
 変動の激しいバイオ医学部門の生産は10.6%増加した。これを除くと製造業生産高は12.4%の減少になる。前月比では製造業生産高は7.5%減少した。
 
 シンガポールが景気後退に陥る可能性についてエコノミストの意見は分かれているが、中央銀行であるシンガポール金融管理庁(MAS)は10月の政策会合で金融緩和を決めるとの予想では一致している。

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