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経済

2019年9月16日

中銀が政策金利据え置き、緩和姿勢は維持

 
 マレーシア中央銀行は9月12日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を3.00%に維持すると発表した。2会合連続の据え置きではあるものの、世界経済の成長ペースが以前よりさらに鈍化しているとし、金融緩和姿勢を維持するとしている。
 
 中銀は今年5月に政策金利を3.25%から0.25ポイント引き下げて約3年ぶりの利下げに踏み切った。米中貿易摩擦などで国内経済成長の下振れリスクが高まる中、利下げにより景気刺激を図った。
 
 中銀は12日の発表文で、政府の今年の経済成長率目標(4.3〜4.8%)が達成圏内にあるとの見方を示した。物価上昇率は年初からこれまで0.3%と低く、これから来年にかけてやや高まると予想。ただし比較的軟調な原油価格の見通しや、政府による食品価格の上昇抑制策が奏功していることなどを考慮すると、インフレ率は概して低い水準にとどまるとみている。
 
 中銀は現在のOPRが経済活動の活性化を後押しする水準にあると説明。ただしこの先も経済成長とインフレのバランスに注視するとしており、将来の利下げの可能性があることを示唆した。
 
 ザ・サン・デイリーによれば、ケナンガ・インベストメントバンク・リサーチのアナリストは今回の発表について、中銀が以前よりもさらに世界経済の先行きに警戒感を示していると分析。今年11月にさらなる利下げに踏み切る可能性はあるとした。
 
 一方でMIDFリサーチのアナリストは、今年5月の利下げで十分に景気が刺激されたと分析。経済指標が急激に悪化しない限り、年内の利下げはないとみている。
 
 中銀によれば、2019年第2四半期のGDP成長率は4.9%で、前四半期の4.5%から加速。個人消費が7.8%伸び、全体を押し上げた。一方、7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で1.4%となっている。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN
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