2019年9月9日
ホテルのフロントなどサービス業、韓国人の就労が増加
中国、フィリピ人、マレーシアからの出稼ぎ労働者がほとんどを占めていたサービス業に韓国人の姿が見られるようになっている。人材仲介業者やホテル、労働者本人から聞いた話によると、韓国人がシンガポールのサービス業で働くようになったのは2011年頃。シンガポールという国際都市で働き、英語力を磨けることが魅力の一つのようだ。
スティーブンス・ロードのノボテル・ホテルで受付係として2カ月から働き始めた李ヨンイさん(23)はソウルで金融の仕事に就いていた。賃金は月1,800Sドル(約13万9,000円)で、ソウルで得ていた時の半分。本国以下の賃金でも構わないというケースは結構多い。
人材紹介のTCCマンパワーによれば、韓国人のシンガポール就労が増加したのは、仲介業者、韓国政府機関、ホテルスクールの提携による成果の面がある。サービス業では従業員に占める中国人の割合を8%以下に抑制しなければならず、雇用する側は中国人以外の外国人を呼び込む必要に迫られているからだ。
統合型カジノリゾートの誕生など活力を増しているシンガポールの観光業が就労先として魅力を増したことも韓国人の就労が増えた理由で、TCCのウー代表は「シンガポールでは韓国より容易に、4つ星、5つ星のホテルに就職できる」と語った。
ただ韓国人労働者は離職率も高い。ほとんどの労働者が2年程度でやめ、シンガポールでの経験を生かす意図で帰国するからだ。