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経済

2019年9月3日

年金ファンドの運用残高、CPFは7%増で9位を維持

 
 世界の年金ファンド上位20社の昨年の資産運用残高は減少したが、シンガポールの年金制度である中央積立基金(CPF)の運用残高は6.6%増の2,870億米ドル(約30兆4,851億円)で、9位を維持した。ウィリス・タワーズ・ワトソンが上位300ファンドの運用状況を調べ、まとめた。CPFの運用残高が増加した要因として考えられるのは、CPF加入者の増加と資産配分の成果。
 
 全300ファンドの資産運用残高は0.4%減の18兆米ドル(約1,912兆円)。上位20ファンドでは1.6%減の7兆3,000億米ドル(約775兆4,060億円)で、全体に占める割合は40.7%と前年より縮小した。
 
 運用残高1位は厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている日本の年金積立金管理運用独立行政法人で、1兆3,745億ドル(約146兆円)。2位はノルウェーの政府年金ファンドで、9,823億ドル(約104兆3,340億円)。3位は米国の連邦退職貯蓄投資理事会で、5,788億ドル(約61兆4,801億円)。4位は韓国の年金ファンド、5位はオランダの公務員・教職者年金ファンド。日本からはほかに、地方公務員共済組合連合会が15位にランクされた。
 
 地域別ファンドの資産運用残高は、北米のファンドが最も多く全体の45.2%を占めた。アジア太平洋地域の運用残高は全体の26.2%、欧州は24.9%だった。上位20位に入っているアジア太平洋のファンドの資産配分は、確定収入(債券など)が53.8%、株式が39.2%、残りが代替投資商品・現金。これが北米だと利回り重視のため、株式が46.7%と高く、次いで代替投資・現金が33.9%だった。

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