シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP7月の工業生産は微減にとどまる、景気後退は回避か

経済

2019年8月27日

7月の工業生産は微減にとどまる、景気後退は回避か

 
 シンガポール経済開発庁(EDB)が8月26日発表した7月の工業(製造業)生産高は前年同月比0.4%の減少で、3カ月連続の減少だったが、下げ幅は6月の8.1%(修正値)より縮小した。
 
 第3四半期の景気後退(前期比で2四半期連続の生産減少)は回避できるとするエコノミストもいるが、メイバンク・キム・エン証券のエコノミストは「輸出の回復を口にするのは時期尚早。前月より改善したのは、貿易戦争のエスカレートを見越した業者が在庫を前倒し積み増した結果と思われる」との見解を示した。工業生産は前月比では3.6%増加した。
 
 部門別では、前年同月比で電子部門の生産は0.9%の減少にとどまった。半導体生産がわずかながら増加した。精密工学部門の生産は7.5%減少した。半導体ファンドリー機器と冷蔵システムの生産が減少した。
 
 変動の激しいバイオ医学部門は0.8%の増加だった。薬品生産は減少したが、医療機器生産が増加した。化学部門は2.2%増加。リグ(油井掘削装置)、造船など運輸工学部門は0.2%減だった。雑貨などその他製造は6.9%増で、金属製容器、衣料品生産が増加した。
 
 メイバンク・キム・エンのエコノミスト、米国が9月と12月に実施する関税引き上げは消費財が多く、電子機器需要に重大な影響をもたらすと予想している。

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