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経済

2019年7月22日

昨年の出生数は3万9千人、8年来の低水準

 
 シンガポール移民・検問庁の出生、死亡登録によると、昨年生まれた子どもは3万9,039人で、前年より1.5%減少した。死亡者数は2万1,282人で同1.8%の増加だった。死亡者数は1998年以降、増加を続けている。
 
 合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値)は1.16人から1.14人に低下した。人口維持に必要な水準は2.1人。シンガポール社会科学大学のカン・スーンホック准教授は「出生数は、晩婚化、独身を選択する若者の増加という現在の社会傾向を反映している」とコメントした。
 
 初めて子どもを持った母親の年齢の中央値は30.6歳。2009年は29.7歳で、シンガポール国立大学家族計画研究センターのジャン・ヨン教授は、年とともに子を産む力は衰えるため懸念されると述べた。
 
 アートディレクターのモハメド・ファルハンさん(37)と33歳の妻との間に昨年、娘が生まれた。2人目も欲しいと思っているが、仕事とのバランスをどうとるかが課題だという。こうした点についてシンガポール経営大学のストローガン教授は「過剰な仕事熱心を過度に奨励するような人事評価の枠組みを人事部は見直すべき」との意見だ。

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