覆面ショッピング、首相も参加

 
　リー・シェンロン首相がコンピューター技術に詳しいのはよく知られているが、政府のウェブサイトで覆面ショッピングしていることが分かった。首相自身が明らかにしたもので、サンズ・エキスポ・コンベンションセンターで開催された「スマート国家サミット」で「覆面客は忙しい毎日を送っており、時々私も加わる」と明かした。ソフトウエアの改善につながるだけでなく、利用者の便を考えたサービスの提供になるよう手続きの簡素化にも役立てるためだという。
 
　リー首相は、シンガポールがスマート国家になるための基礎－―技術に詳しい市民、優れた情報技術インフラ、政府の主導――は強固だとしつつも、3つの面で改善の余地があるとした。
 
　1つは強固な工学能力を持つ必要性で、シリコンバレーの有力企業で働いている人にも引けをとらないエンジニアを呼び込める力が必要だという。2つ目は、本物と偽物を見分ける力、有力な解決法を見出す力を持つ指導者、管理職を官民両セクターで増やすことが重要だという。3つ目は科学、技術に対する社会の姿勢で、科学・技術を恐れるのでなく、受け入れる姿勢が必要だという。
 
　また、サイバーセキュリティーなど技術の進展にはリスクも伴うが、技術、科学を嫌っていては発展が阻害され、シンガポールの明日もないと述べた。