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社会

2019年6月19日

慈善団体によるビジネス参入、監視強化で指針を改定へ

 
 慈善団体を監督するチャリティーズ・コミッショナーは2018年度版年次報告で、営利事業への慈善団体の参入が目立つことから監視を強め、利益衝突が発生しないよう、指針を追加すると表明した。
 
 コミッショナーのアン・ハクセン氏は「営利事業がこれらの団体の意図、目的から逸脱しないことが重要で、特に利益の衝突は看過できない」とした。コミッショナー事務局が、慈善団体の資産、受益者の利益を守るための指針を、団体側の意見を聞いた上でまとめる。
 
 コミッショナー事務局によると、大手の慈善団体で、特に年収が1,000万Sドル(約79億円)以上の団体が収入を増やすためビジネスに乗り出すケースが多い。
 
 2017年の慈善団体への寄付総額は26億5,000万Sドル(約2,097億円)で、教会、寺院など宗教団体への寄付が10億Sドル(約791億円)、社会・福祉団体への寄付が4億4,500万Sドル(約352億円)、大学など教育機関への寄付が3億3,400万Sドル(約264億円)だった。そのほかは健康、スポーツ、芸術関連団体や地域共同体組織への寄付だった。
 
 貧困者に食事を提供している団体「フリーフード・フォー・オール」創設者のニザル・モハメドさんは下部組織として冷凍食品販売店を経営しており、利益の40%を団体に寄付している。

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