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社会

2019年6月17日

1週間に5グラムのプラスチックを「摂取」、WWF調査

 
 世界最大規模の自然環境保護団体、世界自然保護基金(WWF)は、人は呼吸、飲食物摂取、特に飲料を通じ1週間に5グラムのプラスチックを摂取する結果になっているとの調査結果を発表した。飲料水へのマイクロプラスチック(直径1ミリ以下の微細プラスチック破片)の混入に対しシンガポール公益事業庁(PUB)は既に対策を講じているが、さらに対策を強化する。
 
 WWFは豪州ニューカッスル大学に調査を委託した。世界各地で実施された52件のプラスチック汚染に関する調査を統合したもので、WWFのランベルティニ氏は「プラスチックを体内に取り入れたくないなら、自然界にプラスチックが毎年数百万トン、放出されるのを阻止する必要がある。政府、企業、消費者が直ちにプラスチック危機に取り組まねばならない」と述べた。
 
 PUBによれば、マイクロビーズを含むマイクロプラスチックは逆浸透膜技術を用い浄水場で除去しており、上水にマイクロプラスチックは含まれていない。マイクロビーズは直径が0.5ミリ以下のプラスチック粒子で、肌の古くなった角質や汚れを除去する作用があるとされ、洗顔料、歯磨き粉などに広く使われている。
 
 WWFによれば、プラスチックは飲料水(水道水、ペットボトル水、地上・地下水)を通じ最も体内に取り込まれる。次いで甲殻類(エビ・カニ)を通じた摂取が多い。人は甲殻類を消化器官ごと食べるためだ。
 
 プラスチック摂取の健康被害についてシンガポール食品庁は、人間の健康に影響することは証明されていない、との世界保健機関(WHO)と同じ立場だ。

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