シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP送金業のトースト・ミーが高利貸し、金融庁が禁止命令

経済
金融

2019年6月12日

送金業のトースト・ミーが高利貸し、金融庁が禁止命令

 
 オーチャードのラッキープラザに店舗を構える送金業者のトースト・ミーが外国人家政婦に高利で金を貸し、苦境に陥っている家政婦が多数に上っていることを受け、シンガポール金融管理庁(MAS)は6月11日、9月10日以降、送金業者による金貸しを禁止するとの命令を出した。
 
 送金業者による金貸しは新法の決済サービス法で禁止され、年内にも施行されるが、これに先立つ形でMASは、送金業者に消費者金融を認める意図はMASにないと、行政命令の形で禁止を通達した。家政婦は送金業者を利用し本国に送金することが多い。
 
 家政婦を含め、公認の高利貸しから金を借りる外国人労働者は増えており、昨年上半期は3万5,000件の貸借があった。借り手保護のためMASは外国人が借り入れられる限度額を設定したが、これが不法金貸しに活躍する場を与える結果になった。
 
 トースト・ミーは給与の前貸し、立て替えという名目でローンを提供しており、金利は月10%というケースも。同社から金を借り返済に窮したとして福祉団体のビリー・リー牧師に助けを求めた家政婦は110人に上る。
 
 フィリピン出身のシャロンさん(仮名)は昨年11月、家政婦として働き始めたが、仲介料を雇用主が負担したため半年間は給与ゼロだった。しかし母国では一家が送金を待っているため、高利貸しから金を借りたが、すぐ上限に達した。このため、友人の紹介でトースト・ミーから前借りし、結局は返済に窮し福祉団体に助けを求めた。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP送金業のトースト・ミーが高利貸し、金融庁が禁止命令