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2019年6月3日

米政府、東南ア3カ国を為替操作監視リストに

 
 米財務省は、対米貿易で黒字額が大きいシンガポールとマレーシア、ベトナムを為替操作の「監視リスト」に指定した。「為替操作国」とは異なり直ちに経済制裁の対象にならないが、通貨安誘導に対するけん制の意味合いがある。ザ・スター・オンラインが5月29日付で伝えた。
 
 シンガポールについては、対米の経常黒字が大きく、また2018年に外貨買越額が国内総生産(GDP)比4.7%の170億米ドルにも上っているとして、監視リスト入りを決めた。
 
 マレーシアは、昨年の対米貿易黒字が270億米ドル、経常黒字がGDP比2.1%に上っていることからリスト入り。ベトナムも対米の貿易黒字と経常黒字の大きさからリストに入れた。
 
 米財務省はシンガポールについて、経済のファンダメンタルズに沿った為替レートが維持されるべきと指摘。また為替介入データは公開されるべきとした。
 
 一方、今回のリスト入りについてマレーシア中央銀行は、自由で公正な取引を目指しており、不当な為替操作は行っていないと反論。レートは市場メカニズムによって決まっていると断じた。
 
 韓国のNH投資証券のアナリストは、シンガポールとマレーシア、ベトナムは中国とのつながりが深く、今回のリスト入りは中国に圧力をかけ続ける米政府の意思の表れであると説明している。なお米財務省は中国については、対米貿易黒字が大きいものの、その他の条件には当てはまらないとして、監視リストに入れていない。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN

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