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2019年5月31日

全国賃金審議会、系統立った技術訓練の提供を勧告

 
 全国賃金審議会(NWC)は5月30日、今年の賃金、社員訓練に関する勧告を発表し、すべての経営者に、系統立った訓練・研修を社員に施すよう求めた。これが生産性の向上、さらには持続的賃金上昇につながるという。業績が良好で、先行き見通しも明るい企業に対しNWCは、業績および社員の貢献に見合ったベースアップ、および可変給与の支給を勧告した。
 
 業績は良好だったが、先行き見通しが不透明な企業に対しNWCは、ほどほどのベースアップと可変給与の支給を勧告。業績が良好でなく、先行きも厳しい見通しの企業に対しては賃金抑制を勧告。経営陣が率先するよう求めた。昨年、生産性が向上した企業は、一時金を社員に支給するのが望ましいという。
 
 低賃金労働者については、基本給を月1,300Sドルから1,400Sドル(約10万3,400~11万1,300円)に引き上げるよう提案。また50~70Sドル(約4,000~5,600円)のベースアップを勧告した。
 
 昨年生産性が向上した企業は、低賃金労働者に200~360Sドル(約1万6,000~2万9,000円)の一時金を支給するのが望ましい。賃金が1,400Sドルを上回る低賃金労働者にも、技能、生産性に応じ、賃上げ、あるいは一時金支給が望まれるという。
 
 基本給が1,400Sドル以下のフルタイムの労働者(国民と永住者)は15万4,000人。国内最大の雇用者である政府はNWC勧告の受け入れを決めた。NWCは、昨年の賃上げ幅が生産性向上率(2.4%)を上回ったことを不安視しており、「賃上げは生産性向上を伴ったものでなければならない」と強調した。

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