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経済

2019年5月10日

YTLセメント、最大手ラファージュ現法を買収へ

 
 地場系コングロマリット(複合企業)YTLコーポレーション傘下のセメント大手YTLセメントは5月2日、セメント世界最大手ラファージュホルシム傘下のラファージュ・マレーシア(LMB)の株式約51%を取得すると発表した。取得額は16億2504万リンギ(約437億3000万円)。原料費や配送費の削減など、シナジー効果を見込む。現地報道によると、合併後の国内市場シェアは60%に上る。
 
 YTLは、ラファージュホルシム傘下の英アソシエーテッド・インターナショナル・セメント(AICL)から株式を取得。その後、残りの株式については義務的公開買い付けを行う。提示価格は1株3.75リンギと、発表直前の4月30日の終値を14%上回る。
 
 地場系投資銀行アライアンス・インベストメントバンクの調査部門の幹部は、今回の買収について、国内シェアの60%を握ることで市場価格への影響力が増すとの見方を示した。
 
 ラファージュホルシムは東南アジア事業の見直しを進めており、今年1月末にはインドネシア法人のホルシム・インドネシアを同国最大手の地場系セメン・インドネシアに売却した。
 
■ラファージュ、ECRL建設への供給再開
 
 クアラルンプールと東海岸のコタバルを結ぶ東海岸鉄道計画(ECRL)の建設再開を受け、LMBは同鉄道建設向けのセメント供給を再開した。建設工事を担う中国交通建設から2億7000万リンギで受注しており、契約通り19年末まで供給を続ける。
 
 政府は財政難を理由にECRL計画を昨年に凍結。規模を縮小して再開することで先月に中国交通建設と合意していた。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN

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