シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP上場企業の株式非公開化が盛ん、ノジマはコーツの買収提案

日系企業・社会

2019年4月17日

上場企業の株式非公開化が盛ん、ノジマはコーツの買収提案

 
 上場企業を買収し株式を非公開化する動きが盛んだ。今年、既に成立した、あるいは進行中の案件は12ほどある。証券投資家の関心を引かない、小資本の企業がほとんどだ。金融アドバイザー、リップルドットのアティン・ククレジャ最高経営責任者(CEO)は、低迷する株価、流動株の少なさ、低利で買収資金を調達できる環境がこうした動きの背景にあると指摘する。
 
 買い手は主に3つのタイプに分類できるという。
 
 1つは戦略的投資家で、業務拡大を目的とした買収だ。日本の家電販売業者ノジマによるコーツ・アジア買収提案、協和エクシオによるデクラウト買収提案などで、買い取った企業を踏み台に業務拡大を図る。協和エクシオは通信事業者向けの電気・通信基盤構築を手掛ける建設会社。
 
 2つ目はプライベートエクイティー(未公開株投資ファンド)で、低利を背景に巨額の資金を調達しており、買収相手を探している。
 
 3つ目は企業家自身で、自社を上場させたものの、流動性、株価の低さなどを理由に残余株を買い取り、上場を廃止するケースだ。インドフード・サクセス・マクムルによるインドフード・アグリ・リソーシズ買収など親会社による子会社の完全買収もこれに入る。
 
 ファンド運用業者アジャー・キャピタルのウォンCEOは「低すぎる株価は、自社の価値を評価できない株主から会社を買い戻したいとの気を経営者に起こさせる」と説明した。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP上場企業の株式非公開化が盛ん、ノジマはコーツの買収提案