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経済

2019年4月8日

労働者の取り分、先進国の3分の2どまり=中銀

 
 マレーシア中央銀行は、国内労働者の取り分が英米などの先進国に比べ3分の2にとどまるとの調査結果を明らかにした。先月末に発表した2018年度の年次報告書に記したもので、とりわけ単純労働者の取り分が少ないとしている。ニュー・ストレーツ・タイムズが伝えた。
 
 中銀によれば、マレーシアは中所得国と比べると労働分配率が同程度だが、今回の調査で先進国の基準とした英米や豪州、ドイツ、シンガポールに比べ低いという。例えば、1000米ドルの価値を生み出した場合、先進国では労働者に510米ドルが分配されるが、マレーシアでは33%低い340米ドルにとどまるという。
 
 中銀はまた、労働分配率は単純労働になればさらに先進国とのギャップが広がると指摘。これに該当するのは小売り、卸売り、食品・飲料、ホテルなどで、これら業界の平均給与はマレーシアの平均賃金に比べても33%も低いという。
 
 中銀はさらに、マレーシア国内では実質賃金上昇に対する雇用者と労働者の受け止め方のギャップが15年以降に広がってきたと指摘。雇用者側は物価よりも賃金の上昇ペースが速いと感じているが、労働者は逆に賃金よりも物価の上昇ペースが速いと感じており、不満が募っているという。
 
 こうした中で中銀は、生産性にひもづいた給与算定システムを浸透させることが重要と指摘。そのためには国営企業での実施や成功例の発信、法令化などが推奨されるとしている。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN
 

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