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日系企業・社会

2019年4月3日

船舶衝突リスク予測技術、富士通が有効性を確認

 
 シンガポール海事港湾庁(MPA)と富士通は2日、2018年4月から共同で進めてきた、シンガポール海峡の海上交通リスクを分析する実証実験の結果を発表。船舶同士のニアミスを予測する、人工知能(AI)を活用した衝突リスク予測技術の有効性が確認されたという。同技術は、富士通研究所が開発したAI技術を用い、船舶衝突のリスクを検知し、衝突のリスクが高いホットスポットを予測する。
 
 今回の検証で、富士通の技術が予防的なリスク回避に貢献し、航行の安全性向上につながることが確認できたという。富士通はMPAの海上交通管制部門と港湾システム部門の職員10人の協力の下、検証を行った。富士通は研究成果を1日から5日までシンガポールで開催の、国際航路標識協会の委員会で発表する。
 
 富士通のリスク検知技術により、管制官がリスクを認知するより前に、そのリスクをより高精度に定量化できることが確認された。これによりニアミスの起こる10分前に潜在的なリスクを検知し、早めに船舶に注意を喚起できる。また人間が見落としがちな衝突リスクも正確に検知できるという。
 
 富士通とMPAはさらに検証を進め、その後にMPAは同技術を採用するかを決める。

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