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社会

2018年12月26日

海外で就農、スリランカで固定種栽培の女性も

国土面積が狭く都市化が進んでいるシンガポールでは、就農はまず頭に浮かばない考えだが、海外で農業に携わる国民も少数ながらいる。シンガポールは食料のほとんどを輸入しており、食糧安全保障への懸念から農業を始めた人もいれば、スリランカで現地農民が栽培しなくなった伝統種の栽培に取り組み始めた女性もいる。

 

公務員だったライ・プーンピャオさん(53)はカンボジアでコショウの実を10ヘクタールの農地で栽培している。2カ月に1回農場を訪問し1回の滞在期間は1週間、というペースで経営に当たっている。祖父、父親はマレーシアでゴム農園を経営していた。農夫になるのは自然な成り行きだったという。妻は会計士で日本に在留している。

 

土地入手では仲介者の不手際で18万Sドル(約1,500万円)の損を出したこともあるが、提携相手を見付けることができ2014年から栽培を開始。年間1トンのコショウを生産している。現地の商店、レストランに卸しており、自身のネットショップでもホン・スパイスのブランドで販売している。

 

●ルワンダで養鶏
 広告業で働いていたラム・シュイメンさんは11年、父親と一緒にルワンダを旅行した際、その緩やかな丘陵地の魅力に取りつかれ14年に同国初の近代的養鶏業を始めた。父親は港湾業務ポーテックの創業者で、社会への恩返しを常に口にしており、父親の遺志を継いで社会に貢献できる事業として養鶏を選んだ。

 

自社でひな鳥を育てるとともに、食肉加工施設を建設し、近隣の小規模養鶏業者から鶏を買い取り、加工し、自社ブランドで販売するという受託方式も取り入れ、現地農家と競争するのではなく、共存を実現している。

 

●スリランカで伝統種の米を栽培
ジャーナリストだったシンシア・ウィー・ホーファーさん(67)はドイツ人の夫と共に、スリランカで敷地面積4.85ヘクタールのビラを購入。野菜、果物、茶葉を栽培し、蜂を飼い、レストランを経営してきた。

 

近隣農家から水田を売りたいと持ち掛けられ購入。伝統種の米が栽培されなくなっていることを知り、今年10月、栽培を始めた。現地農家は、栽培期間が短く、強健な、同国政府が提供する種類の米を栽培している。

 

以前、ネパールで果樹園を経営したこともあり、はちみつ、ドライフルーツ、クルミなどをネパールとスリランカからシンガポールに輸入している。

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