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金融

2018年11月15日

株売買の決済日数短縮、SGXコントラ取引に弔鐘

シンガポール取引所(SGX)は12月10日付で、株売買の約定日から3営業日後の決済としてきた受け渡し制度を、2営業日後(T+2)に1日、短縮する。効率改善が目的だが、一部の市場関係者は流動性を損ねると懸念しており、歩合外務員協会のジミー・ホー会長は「流動性が減少する。T+2の導入を望まない」と批判的だ。

 

T+2へ移行すると、シンガポールとマレーシアの証券取引所でのみ行われているコントラ取引がほぼ不可能になるためだ。

 

コントラ取引とは、株を売買し、代金支払い日までに売却または買い戻すことで差額決済する取引で、個人投資家が活発に利用し、流動性に貢献してきた。コントラ取引が行われなくなれば流動性も減少の恐れがある。

 

投資家のナラカルパン氏もT+2に否定的で「SGXに必要なのは信頼と流動性だ。T+2ではSGXが主張するように決済リスクは減じられるが、ごくわずか。市場に活気をもたらさないことの方が重要だ」とコメントした。

 

香港や豪州、欧州、米国の市場では既にT+2に移行しているが、ナラカルパン氏は「これらの市場とシンガポールとは異なる。シンガポールではコントラ取引が個人投資家の重要な投資手段だ」と述べた。

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