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社会

2018年9月12日

訴訟費用融資会社の利用を許可、シンガポール高裁が画期的判断

高等裁判所のチュア・リーミン裁判官は9月11日、トリコムセル・オーケーのシンガポール子会社の清算人が訴訟費用融資会社から融資を受けるのを認める判断を示した。

 

トリコムセル・オーケーはインドネシアの携帯電話機販売会社で、シンガポール子会社のトリコムセルとトリコムセル・シンガポールはシンガポール債券市場において2億1,500万Sドル(約174億円)の起債にかかわった。

 

しかしトリコムセルは2015年、配当支払いを履行できなかった。シンガポールドル建て債券の不履行は09年以来。

 

高裁判断により、清算人のコーダメンタは豪州系IMFベンサムから融資を受け、債権回収のための調査を行うことになる。シンガポールの裁判所が訴訟費用融資会社の利用を許可したのは初めて。

 

清算業務に当たるのは、企業再建のベテランであるアショク・クマル氏で、高裁の判断について「この分野で活動している者にとり有用な判断だ」とコメントした。

 

IMFベンサムは米国、カナダ、シンガポール、英国、香港に事務所があり、01年以降、計13億7,000万Sドル(約1,100億円)の債権回収に成功している。IMFベンサムは回収に成功した債権の一部を成功報酬として受け取る。

 

シンガポール国会でも、会社の資産を流用した者に対し清算人が資金回収のための申し立てを行う場合、申し立て費用を訴訟費用融資会社から受けるのを認める法案が審議中だ。

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