国家建設は途上、シンガポール・リー首相独立記念日メッセージ

リー・シェンロン首相は独立記念日を翌日に控えた8月8日、北部ウッドランズに建設されたシンガポール初の退職者住宅「カンポン・アドミラルティー」で国民に向けたメッセージを発表。シンガポールの未来を改めてイメージすることを呼び掛けた。

カンポン・アドミラルティーは11階建ての近代的「カンポン」（村）で、住宅を中心に、医療・健康増進・介護施設、保育所を整備している。

リー氏は「質が高く、料金も手頃な教育、医療、住宅の提供が公共サービスの3本柱で、貧困層も配慮した、50年にわたり成功を収めた政策だ」と前置き。「国家建設は途上にあり、大胆かつ創造的な立案を通じわれわれはシンガポールをイメージし直し、地域社会を活性化することができる」と述べた。

リー氏はカンポン・アドミラルティーを、居住者が出歩き、家族、友人、隣人と交わる「高層カンポン」と表現。教育、医療、住宅政策を融合させた場であり、将来の公営住宅のモデルになると述べた。

独立記念日メッセージでは経済成長予想を発表するのが常だったが、今回は言及しなかった。

締めくくりに当たりリー氏は、この先50年間の国家建設は大変な作業で、社会の団結、政治の安定、優れた政府が不可欠だと強調した。