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金融

2018年7月2日

シンガポール、6月の証取時価総額は3%減、資金の流出が主因

シンガポール取引所(SGX)の6月末の時価総額(738社)は9,473億Sドル(約76兆8,642億円)で、5月(739社)より3.4%減少した。株価が下落したのは銀行銘柄で、米中貿易紛争に対する懸念から資金の引き揚げがあり、市況は低迷した。

 

銀行では最大手DBSグループの時価が45億Sドル(約3,651億円)、OCBCが38億Sドル(約3,083億円)、大華銀行(UOB)が21億Sドル(約1,703億円)、前月比でそれぞれ減少した。ほかに顕著に株価が下落したのは、政府系不動産会社のキャピタランド、コングロマリットのケッペル。

 

KGI証券のジョエル・ン調査部長は、米連邦準備制度理事会の予想を上回るペースでの利上げ、米中貿易摩擦、中国人民元の値下がりをきっかけに資金が証券市場から流出したとの分析を示した。

 

DBSグループの調査部門は、学校休暇とサッカーワールドカップ開催も株式市場の取引低迷をもたらしたと指摘。6月に値下がりした銘柄を購入する機会が訪れているとした。

 

OCBC投資銀行部門のリー氏は、DBS、UOB、不動産のUOL、シティ・デベロップメンツ(CDL)がいずれ値を戻すため狙い目だと述べた。

 

銀行は、貸倒引当金の計上額が少なく、利益率も拡大しており、業績は改善する見通しだという。

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