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政治

2018年6月1日

シンガポール、低賃金労働者のベースアップ、賃金審議会が勧告

全国賃金審議会(NWC)は5月31日、基本給が月1,300Sドル(約10万5,000円)かそれ以下の労働者に対し、雇用者は50~70Sドル(約4,000円~5,600円)のベースアップを行うのが望ましいとの指針を発表した。基本給が1,300Sドル以下の労働者は15万人を数える。NWCは昨年、基本給が1,200Sドル(約9万7,000円)以下の労働者には45~60Sドル(約3,600~4,800円)のベースアップが望ましいと勧告していた。

 

NWCはまた、昨年生産性が改善した企業は低賃金の従業員に一時金(300~600Sドル(約2万4,000円~約4万8,000円)を支給するのが望ましいとの指針も示した。

 

月額基本給が1,300Sドル以上の従業員には、雇用者は各従業員の技術、生産性に応じ賃上げあるいは一時金の支給、またはその両方を行うよう勧告した。

 

NWCの指針は拘束力を持たないが、行政府は常に勧告に従っており、今年も受け入れを表明した。7月1日付で導入する。昨年は低賃金労働者を雇っている民間企業の3分の2近くが、NWCの指針に従いベースアップを実施した。

 

昨年、労働者1人当たり実質付加価値で見た労働生産性は3.8%上昇した。製造、卸売り、運輸・倉庫など輸出志向型部門の生産性改善が貢献した。

 

NWCは、会社は生産性改善で得られた利益を労働者と分かつべきとし、業績は改善したが、先行きが不透明な会社はベースアップ幅を抑制することが許容されるが、業績を反映させた変動賃金で社員に報いるべきとした。

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