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社会

2018年5月28日

シンガポール、チャンギ刑務所に菜園、麻薬常習者の更生に一役

シンガポール刑務局は麻薬法違反で服役している受刑者に農業実習を施すことを決めた。勤勉、忍耐という農業に付随する価値を体で覚えてもらうのが狙いで、出所後の就業にも役立つことを期待している。

 

刑務局は麻薬常習者更生センターがあるチャンギ刑務所のB棟敷地内に屋内菜園を設ける。教習期間は3カ月で、1回につき20~30人の受刑者に農業の基本と持続可能な園芸について教える。学習内容にはマイクログリーン(種子から育てた若芽野菜)栽培が含まれる。

 

刑務所の広報担当者は「収穫に至るまでには努力、勤勉が必要な困難な段階があり、それが成果につながる。麻薬からの脱却も同じ」と説明した。

 

受講者はチームワークも学ぶ。受講した者は次には講師となり、ほかの受刑者に知識、技術を伝授する。

 

麻薬常習者の社会復帰を支援している「ハイディング・プレース」でも農業体験教室を開いており、運営者のハン・メンシュー氏は「農業では、自然を急き立てることはできない。忍耐を学ぶことができる」と述べた。

 

海外の刑務所でも農業を取り入れているところがあり、北海道網走の刑務所では受刑者が和牛を飼育している。生き物に対する愛情をはぐくむためだ。米国でも、搾乳、野菜栽培を取り入れている刑務所がある。

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