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社会

2018年5月16日

シンガポール、不平等問題への取り組みを優先、オン教育相

オン・イエクン教育相は5月15日、大統領演説をめぐる国会論戦で、不平等への取り組みが緊急を要していると発言。優先課題として取り組む意向を表明した。

 

シンガポールでは社会の階層化が顕著になっており、教育水準の低い層は高い教育を受けた層との交流が少ない、など富の差により社会の団結が脅かされている。このため、差を埋めるだけでなく、国民が社会的地位を上げるための施策がさらに必要と政府は考えているという。

 

ハリマ・ヤコブ大統領は議会初日の施政方針演説で、不平等への取り組みを課題として取り上げ、論戦に加わった一般議員も不平等問題を取り上げた。

 

オン氏は不平等の実際面について、シンガポールはほかの国と比べひどい状況にはないと強調した。シンガポールの所得格差はほかの先進国より大きいが、世界の主要都市とはあまり変わらないという。また富の再分配、慈善活動で不平等は緩和されているとした。

 

多くの国では所得の中央値は停滞しているが、シンガポールでは上昇しているという。個人の社会的地位の移動である社会的移動性については、米国、英国、デンマークより良好だと述べた。

 

オン氏はまた、国民皆福祉的な施し政策はとらないと強調した。こうした福祉は費用を伴うため、国民の税負担が増すことになるという。また安易な施しは国民の品格、働くための動機付けを損なうと指摘。自立を助けるのが政府の方針だと述べた。その一つが技能・技術習得のための「スキルズフューチャー」で、成功に至る道だと述べた。

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