シンガポール、リー首相メーデー挨拶、技術の進歩への適応を要請

リー・シェンロン首相はメーデーを記念した5月1日の大会で挨拶し、米中貿易摩擦から生じるリスクは存在するが、シンガポール経済は今年も堅調に推移し、2.5％よりやや高めの成長が見込めると述べた。

リー首相は、米欧、中国経済は今年も好調を維持する見通しだが、米中貿易摩擦は長期的に、開かれた、ルールに則った国際貿易システムを損なう恐れがあると指摘。小国のシンガポールとしては、国際舞台ではそうした憂慮される潮流に強固に反対し、国内では経済の強化を図ると述べた。

経済強化で首相は3つの分野における技術革新を取り上げ、企業、労働者とも対応の必要があると訴えた。

1つ目は運輸で、グラブなど配車サービスの台頭および自律運転車両の登場を挙げた。いずれ自律運転のバスを導入するという。

2つ目は銀行業で、1980年代は現金自動預払機（ATM）の誕生・普及、次はインターネット・モバイル・バンキングの登場、最近ではフィンテック（革新的金融技術）の開発が大きな変化をもたらしたと述べた。

3つ目は電子商取引の誕生で、実店舗を持つ小売業者はオンライン小売業者との競争を余儀なくされており、また物流業界にも変革が起こっていると述べた。