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政治

2018年4月3日

シンガポール、リー家住宅の扱い、閣僚委員会が3つの選択肢

リー・クアンユー初代首相一家が住み、与党・人民行動党(PAP)結成の場ともなったオクスリー・ロード38番地の住宅の扱いについて、4人構成の閣僚委員会は4月1日公表した最終報告書で3つの選択肢を提案した。

 

リー・クアンユー氏は遺言で、取り壊しを希望する旨を表明した。しかし政府は、クアンユー氏が内閣への書状で「保存される場合、改装し、賃貸されるのが望ましい」と表明したことを根拠に、同氏は取り壊し以外の選択肢も受け入れる用意があったとの見解から、保存を検討するための閣僚委員会を設け、住宅をどう取り扱うべきかの議論を重ねた。

 

こうした動きに対し、リー・シェンロン首相の妹リー・ウェイリン氏と弟のリー・シェンヤン氏が、首相は自らの政治上の利益を図るため住宅の保存をもくろみ、立場を利用し閣僚委員会に影響を及ぼすなど権力を乱用したと主張。社会の耳目を集める事件となった。

 

閣僚委員会は、▽住宅を記念建造物に指定し保存する▽歴史的価値のある地階の食堂を保存し、ほかの部分を取り壊す▽すべて取り壊し跡地を再開発する--との大まかな選択肢を提案した。

 

同住宅にはウェイリン氏が住んでおり、引き続き居住の意向を表明しているため、閣僚委員会は、どれを選択し実行するかは将来の政権に委ねるとした。リー首相は委員会の結論を受け入れると表明した。ウェイリン、シェンヤンの両氏はノーコメントだった。

 

委員長を務めたテオ・チーヒアン副首相は「これをもってこの件の幕引きとし、国が直面するほかの緊急の課題に注力したい」と述べた。

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