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日系社会

2017年6月19日

JCCI賃金評議会ガイドライン説明会と賃金調査結果報告会を開催、EPの発給動向や雇用情勢など説明

〈シンガポール〉
シンガポール日本商工会議所(JCCI)の賃金調査委員会は6月15日、シンガポール政府・労働者・使用者による評議会「National Wage Council:NWC」が、労働者の賃金設定に関する方針などを定めたガイドラインの説明会および、JCCI法人会員へのアンケートを通じてまとめた賃金調査結果の報告会を、シャングリラホテルで開催した。日系企業の関係者らが多数参加した。

 

News_JCCIまずJCCI賃金調査委員長の林久順氏が、2017/2018年を対象とするNWCのガイドラインについて説明した。林氏はガイドラインの骨子について①低賃金労働者への対応②下請け低賃金労働者への配慮③高齢者雇用の促進を挙げた。このうち低賃金労働者への対応について、基本給が1,200Sドル以下の場合に45~60Sドル以上の賃上げを行うこと、基本給1,200Sドル以上でも昇給を実施するよう勧告していると紹介した。

 

続いて、ラジャ・タン法律事務所のパートナー弁護士である大塚周平氏と、マネージャーの有馬潤氏が就労ビザの発給動向について解説。今年3月からエンプロイメント・パス(EP)の審査期間が従来の7~10日から約3週間に伸びていることなどを紹介した。

 

またシンガポール政府が掲げる、シンガポール人を優先する雇用方針について説明。そのうえで、シンガポール人の採用や育成に力を入れておらず、シンガポール経済・社会との関連性が弱い企業がウォッチリストに掲載される可能性があると指摘した。一度掲載されるとEPの審査期間が3ヵ月以上になり、更新の場合に有効期間が1年のみになるケースがあるとして注意を促した。リストから削除されるためには、シンガポール人の雇用に関する監督機関である「Tripartite Alliance for Fair & Progressive Employment Practices:TAFEP」に対して業務の改善案を示す必要があること、さらに改善案の審査期間が6ヵ月以上になることも説明した。

 

JCCI賃金調査委員の荒屋貴氏は、シンガポールにおける雇用動向について統計を元に解説した。今年3月時点での雇用総数は366万4,600件と、昨年12月の367万3,100件から減少したことに言及。MOMがその理由について、「建設業と製造業における外国人労働者の減少によるもの」と説明していると話した。

 

このほか、メイドを除いた外国人の雇用者数は前年より2,500人少なく、リーマンショック後の2009年以降で初めての減少になったと指摘。一方でローカルの雇用については、2015年には700件の増加にとどまったのに対し、2016年は1万1,200件増に改善したと説明した。ただし、2012年(5万8,700件増)、2013年(8万2,900件増)、2014年(9万6,000件増)などと比較すると、依然として大幅に下回っていると述べた。

 

最後に事務局長の長尾健太郎氏が、JCCIの法人会員326社からの回答をまとめた「2017年賃金調査結果報告」の内容について紹介。今年の予測賃金改定率がプラス3.29%と、昨年の3.7%から鈍化する見通しであることなどを示した。IMG_4285

 

このほか長尾氏はウォッチリストに関して、JCCIからシンガポール人材省(MOM)に対して要望書を提出する予定であることにも言及した。リストへの掲載が決まるまでに企業とMOMの間で協議する猶予を設けることや、掲載および削除に関する基準を明確にすること、また日本人でなければ務まらないポジションがある企業に関して、柔軟な対応を求めることなどを要望としてまとめるという。

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