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政治

2014年5月13日

ハッド刑法案提出を延期=PAS党首 委員会設置で時間稼ぎか

〈クアラルンプール〉
汎マレーシア・イスラム党(PAS)のアブドル・ハディ・アワン党首は、6月に予定していたイスラム刑法のハッド刑(Hudud、固定刑)施行に向けた私法案の下院提出を延期すると発表した。非ムスリムからの批判をかわすと共に、野党連合・人民同盟(PR)間の分裂を避ける狙いがあるとみられる。
ハディ・アワン党首は、PAS中央委員会とハッド刑導入を企図していたクランタン州政府が専門委員会を設立することで同意したと強調。私法案提出を延期し、その間に専門委員会による調査を実施すると説明した。
政治アナリストらは、PASがハッド刑導入案でマレー・イスラムにアピールする一方で、これに反対する民主行動党(DAP)などの非ムスリム友党との関係を損ない、非ムスリムからの批判に晒されるジレンマに陥ったと指摘。可決に向けて協力が欠かせない与党連合・国民戦線(BN)の統一マレー国民組織(UMNO)にしても、マレーシア華人協会(MCA)などの非ムスリム友党や非ムスリム有権者からの批判を恐れて廃案にまわる可能性が高く、専門委員会設置による時間稼ぎを通じて現状打開を図ったものだと分析している。
私法案はPASが政権を握るクランタン州を対象とするもの。同州では1993年に可決したが憲法違反になるために施行は保留されていた。ハッド刑は手足の切断や石打ちなど身体刑であることから、残酷だとの理由で人権団体をはじめ批判の声が根強い。
マレー系の権利を保護する非政府組織(NGO)のイカタン・ムスリミン・マレーシアは、PASの私法案提出延期を歓迎するとコメント。延期することで、ハッド刑の導入についての詳細を協議することができるとし、導入に際して協議を行うのは非常に重要であるとの見解を示した。

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