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政治

2006年10月26日

来年度予算案、11.2%の大幅な緊縮予算に 個人所得税を引き下げ、GST導入は見送り

〈クアラルンプール〉
ナジブ・ラザク首相は10月23日、下院議会で来年度(2010年1~12月)予算案を発表した。予算規模は1,915億リンギ(約5兆1,510億円)で、財政赤字の拡大懸念から今年の予算額から11.2%減の緊縮予算となった。
注目されていた物品・サービス税(GST)の導入は見送られた。ナジブ首相は検討の最終段階にあるとした上で、導入に当たっては現行の売上税・サービス税は廃止するとした。また税率は低所得者の生活に影響が出ないよう、売上税・サービス税率より低く抑えると述べた。
来年度の開発支出は532億リンギ(約1兆4,310億円)、一般歳出は1,383億リンギ(約3兆7,200億円)と共に大幅な削減となった。歳出削減によって今年7.4%と見込まれる対GDP比の財政赤字幅は、来年度は5.6%に縮小する見通しだ。原油関連の収入減が響いて税収は2.8%減と予想されている。
今回の予算案における3つの柱は、▽高収入経済を目指した国家運営▽包括的な開発▽国民の福祉の保証――。国民生活の安定を重視して、酒税・たばこ税の値上げ、その他の大きな増税は盛り込まれなかった。(ただし、たばこは10月1日付で増税)
法人税減税は見送る一方、マレーシア国民の個人所得税率の最高税率を27%から26%に引き下げる。控除額は上限を8,000リンギ(約21万5,000円)から9,000リンギ(約24万2,000円)に拡大する。また外国人の所得税率も27%から26%に引き下げる。
従業員積立基金(EPF)の個人拠出率を再び11%に引き上げる。雇用主の拠出率については、2011年1月から11%に戻す。コーポレートファイナンス会社やファイナンシャルプランニング会社における70%を上限とする外資制限を撤廃する。金融サービスセクターの成長促進に向け、既存の優遇税制を2015年まで延長する。
インフラプロジェクト向けに90億リンギ(約2,420億円)。道路や橋、鉄道、港湾、空港整備に充てる。
不動産売買における利得税(5%)を2010年1月1日付で導入する。ただし近親間の贈与の場合はこれまでどおり免除する。
技術や資格を持つ外国人に対する永住許可申請基準を緩和、労働ビザは14日以内に発給する。
グリーン技術を提供あるいは自ら利用する企業に対するソフトローンのためのファンドに15億リンギ(約403億円)。
高品質の人材育成に向け、小中学校の教育に300億リンギ(約8,070億円)を支出。映画や音楽、アニメーション、広告といったクリエイティブ産業の育成に向け、2億リンギ(約54億円)規模のファンドを設立。
ブロードバンド利用者向けに、2010~12年に最大500リンギ(約1万3,500円)の税控除を実施する。
また農業セクターに60億リンギ(約1,614億円)、農民や漁民の奨励金や補助金などに20億リンギ(約538億円)を支出する。
汚職対策強化に向け、汚職案件専門の特別汚職簡易裁判所14ヵ所と特別汚職控訴裁判所4ヵ所を設置する。
■今年の経済成長予想をマイナス3%に上方修正■
ナジブ首相は、今年通年の国内総生産(GDP)成長率について、2度にわたる総額670億リンギ(約1兆8,022億円)規模の景気対策の効果で従来予想のマイナス4~5%を上回るマイナス3%程度になるとし、2010年については2~3%のプラス成長が見込まれるとした。
財務省の「2009/2010年経済リポート」によると、今年マイナス12.1%と予想されている製造業は、来年1.7%のプラス成長の見通し。サービス業は今年は2.1%、来年は3.6%の成長が予想されている。鉱業、農業、建設、個人消費、民間投資についても、来年は1.1%、2.5%、3.2%、 2.9%、3.4%と揃ってプラス成長を確保するとみられている。

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