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社会

2010年12月15日

歴史研究者ら、中等学校の歴史教科書の偏りを指摘

〈クアラルンプール〉
歴史教科書編纂者、研究家が中等学校の歴史教科書の内容が偏っていると批判、2013年から高校5年次の全国統一試験(SPM)において歴史が必須科目になることに反対を表明している。
1990年から中等学校の歴史の教科書執筆を行っている教育省の歴史教育局アドバイザーのランジット・シン氏は、中等学校の歴史教科書の内容が偏っていると指摘。特定の政党への支持を高めることを奨励するような内容になっていると批判している。
高校4年次の以前の教科書はまんべんなく世界の歴史を網羅しており、イスラムの歴史は1章のみにとどまっているのに対し、現在使われている教科書は10章中5章がイスラムの歴史となっているという。また、重要なルネッサンス、産業革命の部分は半分以下に省略されている。このほか、19世紀に来馬した中国人ヤップ・アーロイ(葉亜来)のクアラルンプールの街づくりに対する貢献が記載されておらず、抗日活動を行ったグルチャン・シン、シビル・カルシゲスについての記載もないと指摘した。同氏は教育省の高官にこれらを指摘しても、反国的だと批判され採用されなかったと説明した。
また歴史をSPM必須科目にすることについては、歴史を必須科目にすることによって愛国心が養われるというのは間違った考え方だと指摘、愛国心は国への帰属心、平等の精神から出てくるものだと語った。
華人系高等学校の歴史教科書執筆者であるン・ホークアン氏は、歴史を必須科目にするのは、ある人物の歴史に対する考え方を全ての生徒が模倣することであり、危険なことだと指摘。一方、歴史教科書の内容が注目されることは、教育課程の見直しを行うためにはタイムリーでよいと語った。
教科書の内容については12月13日に国会で質問が行われ、教育省のアブドル・ガファル・マハムッド事務次官と省の高官が審議を行った。審議の結果は数日中に国会にて発表される予定だ。

提供:日刊アジアインフォ

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