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経済

2009年4月20日

鉄鋼価格に下げ止まり感、回復の兆しも

〈ペタリンジャヤ〉
国内棒鉄需要と価格はここ数カ月間持ち直しており、国内鉄鋼部門に回復の兆しが見られている。マレーシア・スティール・ワークス(Masteel)のタイ・ヒアンレン社長は、昨年12月から今年1月の棒鉄最低価格から10~15%の回復を見ており、価格帯は第4四半期までは一定の値幅を上下し続けると見られるが、過去1カ月間で需要は15%の伸びをみせたとコメント。製造業者の在庫レベルは、昨年11~12月のピーク期から連続的に減少していることを明らかにした。
タイ社長は、需要回復の要因の1つに、中国による5,860億米ドル(約58兆円)の景気刺激策で中国国内需要が増加し、中国の域内輸出量が総生産高の5%まで低下したことを挙げた。ブルームバーグの報告書によると、中国の鉄鋼輸出量は、第1四半期で前年同時期比55%減の514万トンだった。これによりマレーシア、トルコ、台湾などが、価格や輸送費の面で有利となり、マレーシアの鉄鋼輸出も徐々に回復すると見られている。
Masteelでは、需要に対する供給の流れ込みにより高価格品の価格崩れなどが起こり第2、3四半期には依然価格の乱高下が見られるだろうと見ているが、最悪期は乗り越え、2010年には需要が回復するだろうと予想した。
Amリサーチは、世界的鉄鋼生産量の減少やくず鉄供給の規制強化、中国のさらなる鉄鋼部門の整理統合により鉄鋼価格が上昇したとの見解を示しており、米鉄鋼コンサルタントのグローバル・スティール・ダイナミックによる「今年の世界的鉄鋼生産量は昨年比14%減」との予想を引きあいに出した。今年初めの2カ月間で世界的鉄鋼生産量は22%から24%減少している。また、鋼片の世界的価格が1トン当たり40米ドル(約3,970円)まで上昇していることを挙げ、世界各国、特に中国による景気刺激策が効果を表し始めたと発表した。
OSKインベストメント・バンクのアナリスト、ン・セムグアン氏は、建築や不動産事業の活性化で棒鉄の需要および価格が上昇した、とコメント、中国が板鉄製品の付加価値税(VAT)を排除したが棒鉄輸出には15~25%の課税を義務付けていることから、中国国内での需要があることを予測できると述べた。また、ン氏は、下半期の回復までに、あと1~2カ月は減少もみられるだろうと述べ、本格的な回復は2010年になるとコメントした。

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