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国際

2009年1月9日

中東建設ラッシュ、世界的不況と原油価格下落で停滞か

〈ペタリンジャヤ〉
複数の経済研究所が1月7日、海外大手建設市場である中東諸国での建設ラッシュに陰りが見え始めているとの報告書を発表、包括的警告ではないものの、不動産市場低迷のリスクが高いことを示唆した。マレーシアの建築業者では、▽WCT▽ガムダ▽IJMコープ▽ムヒバ・エンジニアリング・コープ▽サンウェイ・ホールディングス――がアラブ首長国連邦のドバイでの大型建設プロジェクトに携わっている。
ECMリブラは、WCTとアラブテック・コンストラクションの合弁会社が建設中だったレース場建設(総工費46億リンギ、約1,230億円)が発注元メイダン側の工程遅延理由により中止を通告された件について、「(中止は)両社間での具体案の意見相違による可能性もあるが、中東もまた世界的金融危機の影響を少なからず受けている」とみている。また、ECMリブラによる各企業への聞き取り調査によると、現時点では発注元からの支払い延滞は見られていないが、カタールからの支払いについては通常2カ月を要していたものが現在では3~4ヵ月かかっているという。
シティグループは、ガムダの取引先が政府関連期間であることを理由に、建設中止の恐れはないとの見解だが、原材料費の高騰で利益率は低いとの見方だ。
OSKリサーチのアナリスト、ジェレミー・ゴー氏は、2008年7月の原油最高値1バレル当たり145米ドル(約1万3,600円)から12月には38米ドル(約3,560円)まで下落した点を指摘。パレスチナ自治区のガザにおける紛争の影響で現在48米ドル(約4,500円)にまで回復しているが「経済成長の源」とされる原油価格の急落が、中東地域の建設ラッシュに影を落としているとの見解を示した。
アセアムバンガーズのアナリスト、ビンセント・コー氏は、昨年10月にムーディーズが発表した「ドバイの負債額が国内総生産(GDP)よりも 470億米ドル(1,650億リンギ、約4兆4,000億円)は増大している」という一節を指摘。加えて、「メイダンのレース場建設中止の一件がドバイの金融衰弱化の憶測を広めている」とコメントした。

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