シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPアブドラ首相が2年内の政権委譲を発表 ナジブ副首相を後継に指名

政治

2008年7月14日

アブドラ首相が2年内の政権委譲を発表 ナジブ副首相を後継に指名

〈クアラルンプール〉
アブドラ首相が7月10日、2010年半ばをめどにナジブ副首相に政権を委譲すると表明した。与党内部からは今後の道筋を付けることで、野党の攻勢によってぐらついている政権の安定化に寄与するとの好意的な見方が出ている一方で、2年先は長すぎるといった意見も出ている。またこれにともない12月に行われる与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)党役員選挙が事実上、棚上げになると見なされていることから、末端党員の意見を反映させた民主的な総裁選びを求めるグループが反発を示すことも予想される。またアブドラ政権を支える立場としてナジブ副首相の責任を問う声もあるほか、モンゴル女性殺人事件との関与を指摘されるなどナジブ副首相自身の身辺にも不安定要因が少なくなく、すんなりUMNO及び与党連合から支持が得られるか不透明だ。
アブドラ首相は同日、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)最高幹部会で政権委譲計画を説明した後に記者会見を開催。2年間の禅譲期間を設けていることについて、現在手掛けているプロジェクトの推進及び党内建て直しのための時間が必要だとした上で、2013年に予定されている次期総選挙における準備期間も含めて、2010年が適切な時期と判断したことを説明した。後継者に指名されたナジブ副首相は、アブドラ首相に感謝の意を示した上で、 12月に行われる党役員選挙でアブドラ総裁、及び自身の副総裁再任を支持するよう呼びかけた。
■党役員選で信を問うべき=ムヒディン氏■
訪日中のムヒディン・ヤシン通産相(UMNO総裁補)は、党内に政権委譲に2年間かけるのは長すぎるとの意見があることに触れて、こうした党員の意見も考慮しなけらばならないと言明。党役員選挙で党員に信を問うべきとの持論を示した上で、役員選までにまだ時間のある現段階で後継者を指名する必要があるのかと疑問を呈した。ともあれ最高幹部会の決定には従うとし、党員の反応をみて今後の自身の身の振り方を決めると述べた。
アブドラ批判を続けている長老のテンク・ラザレイ・ハムザ元財務相は、今回のナジブ氏への禅譲計画の発表を受けても、今年12月に実施される党役員選に自身が出馬する考えは変わらないと言明。首相が後任を指名するのは正当なやり方ではないと述べ、党トップは党内選挙を通してUMNO党員の総意で決めるべきだと強調した。
アブドラ・ナジブの両名を批判してきたマハティール前首相は、ナジブ氏には総裁の資格がないと指摘した上で、アブドラ政権に忠誠を示していた者がナジブ氏に取って代わると予想。しかしナジブ氏に代わる者も2010年のアブドラ氏退任時には経験不足のためトップになれないだろうと述べ、結局、アブドラ氏の意図に反して同氏が次期総選挙まで現職にとどまることになるだろうとした。

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