〈クアラルンプール〉
野党連合・人民同盟(PR)率いるアンワル元副首相は9月18日、アブドラ首相に臨時国会を遅くとも9月23日までに招集するよう求める書簡を提出したことを明らかにした。ただちに内閣不信任案を決議するためだとしている。通常国会は休会に入っており、10月に再開されることになっている。
同書簡は、人民正義党(PKR)の幹部としての自身のほか、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首、民主行動党(DAP)のリム・キッシャン顧問(前党首)の連名で提出された。アンワル氏は、アブドラ首相から回答がない場合には、緊急集会を開催し次の方策を検討するとしている。また野党連合へのくら替えを約束したとされる与党連合・国民戦線(BN)議員の名前については、首相が無条件に臨時国会出席及び不信任案決議への投票を保証するまで明かすことはできないと繰り返した。
アンワル氏は政権交代に必要な30人を超すBN所属議員よりくら替え同意を得たと主張、「スムーズな与野党逆転」のためだとしてアブドラ首相との会談を要求しているが、アブドラ首相はアンワル氏側のハッタリだとして応じない構えを見せており手詰まりの状態だ。BN側からの「くら替え議員」の変心を求める働きかけがじわじわ強まるとみられるだけに、拒否されるのを覚悟の上で臨時国会開催を要求し政府への圧力を強めたい狙いがあるとみられる。
■アンワル氏は経済・国家安全の脅威=アブドラ首相■
アブドラ首相は17日、アンワル元副首相について、マレーシア経済と国家安全の脅威になっていると批判した。
アブドラ首相は、アンワル氏の行動が政治的安定に影響を及ぼすだけでなく、経済の安定にも影響を及ぼしていると指摘。アンワル氏の行動を受けて一部のファンドマネージャーがマレーシアの政治的不安定を理由に投資先として望ましくないとの報告を行っていると述べた。またアンワル氏が、外資が入って来なくなっているとか国際競争力が失われてしまったなどとマレーシアの経済情勢に関してウソを並べ立てていると指摘。実際は、今年の外国直接投資(FDI)額が昨年を上回るペースであることからみても外国投資家から引き続き有望な投資先とみなされているし、競争力ランキングもむしろ上昇していると述べた。
アブドラ首相は同日、自身が兼務している財務相職とナジブ副首相が兼務している国防相職を入れ替えると発表。アブドラ首相は今後、宗教問題や社会問題、諸々の改革に注力していく方針を示した。2010年半ばを目標としたナジブ氏への政権委譲計画に基づいたワン・ステップと解されている。