タイのサマック首相の退陣を求める反政府勢力、市民民主化同盟(PAD)による首相府占拠で始まったタイの政治混乱が泥沼化しており、こう着状態が続いている。一方、昨年の下院選挙の際、与党、国民の力党副党首による買収事件を調べてきた選挙管理委員会は、党としての買収事件と認定。検察当局に送致した。同党は解党される可能性がある。
サマック首相は9月2日、混乱収拾のためバンコクに非常事態宣言を発令したが、秩序回復を委託されたアヌポン陸軍司令官は、「占拠を強制排除しない」と表明。首相と距離を置く立場を明確にした。一方、PADは退陣要求を変えない方針を改めて示しており、不法占拠という事態が続いている。
外国政府はタイへの渡航を自粛するよう呼び掛けており、タイ旅行はキャンセルが起きている。微笑みの国、タイの昨年の観光収入は270億米ドル(約2兆9,389億円)で、国内総生産(GDP)の6.5%。波及効果もあり、影響は大きい。
国内旅行協会のマイヤラト会長は「国民も安全な場所にいたいと思う。国内旅行の90%はキャンセルされた」と語った。
国営企業労働組合のサウィット書記長は9月3日からのストライキを呼び掛けており、列車、バス、航空機が一部で運休する見通しだ。