ラサールの新校舎
ラサールの新校舎
メイヤーロードの近くで、生徒数27名の小さなアートスクールが始まったのは1984年のこと。国内で功績を残した教育者として知られるラサール会の修道士、故ブラザー・ジョセフ・マクナーリによって開校されました。氏の芸術教育への強い思いで設立されそのアートスクールは、25年を経て、市内のミドルロード近くに LASALLE College of the Artsとして新校舎を構えています。世界40カ国から2,300名を超える学生を抱えるまでに。視覚芸術、マルチメディア、ファッションデザイン、舞台芸術からアートマネジメントやアートセラピーといった広い領域をカバーし、ディプロマから修士の資格までを修めることができます。
さて、この地上・地下合わせて7階建てのLASALLEの新校舎。その巨大な長方形の黒い建物は、まるで地盤が決裂して四方に引裂かれたようなデザインで、その内側は、有機的な角度を持つ総ガラス張りという斬新なもの。その建築を手がけたのは、シンガポールの設計事務所、RSP Architects and Planners。シンガポールの街のエッセンスを表現するようなダイナミックさをデザインにしたといい、2008年にはシンガポール建築家協会より最優秀建築物賞を受賞したというのも納得です。
外壁からのぞく亀裂部分のオープンスペースは、キャンバス地の屋根に覆われ、風通しも良く、あちらこちらに学生が集う日常があります。今年5月に正式な落成式が行われ、地下にある500席のシアターや、合計15,000sqfもあるアートギャラリーの数々で、今後企画されるイベントが待たれています。
15 minutesのステージでは、週末を中心にライブなどのイベントが行われる。
クリエイティビティー溢れる自由なアートスクールの空気を味わいながら、シンガポールで唯一無二の建物を訪れる社会見学へ。そんな時間を過ごすなら、LASALLEの校内にオープンしたカフェ「15 minutes」がお勧め。オープンスペースに面した地上階にあり、ガラス窓から外光が取り込まれたロフト風のカフェは、外から訪れる一般の利用も可能。ランチ、ティータイム、また軽いディナーに、「カフェごはん」的オリジナルメニューや、手づくりデザートがリーズナブルな値段で楽しめます。また、ハッピ―アワーのある本格的なバーも併設されています。
オリジナルメニューの数々。
エビとわさびマヨのピザ(手前)、チキンとアボカドのクリームソースパスタ(左)、フィッシュ&チップス(右)うどんサラダの味噌ドレッシング和え(左奥)
このカフェを経営するのは、6人のパートナーたち。クリエイティブ業界でもその名が知られるプロ達が意気投合して集まり、それぞれの得意分野を活かして、今の「15 minutes」をカタチにしたそう。 「15 minutesからクリエイティブなシナジーをキャンパスに送り込むことを期待されています。学生や教師達の意見交換や発表ができる場として、また、外からも新鮮なエネルギーを持ち込んでもらうために、ステージを用意し、あえてシンプルな空間にしてあります。この界隈は、学術地区で学生も多いですから、15 minutesが志のある若者達の交差点になれたらいいと思います。」と、オペレーションの責任者であるジェフさんが語ってくれました。
取材の日、ステージでは、週末のライブのためのオーディションが行われていました。「その時が来たら、誰だって15分間くらいスゴい有名人になれるさ。(In the future everybody will be world famous for 15 minutes.)」というアンディー・ウォーホールの一言に店名が由来しているとのこと。ここから育つアーティストが将来どこかで活躍する日が来るかもしれない、そんな夢を繋いでくれる場所になりそうです。
写真=Eugene Chan
![]() |
熱帯綺羅トップページ |
![]() |